園からのお知らせ 詳細
2022-01-30
公開研究保育結果報告 学識経験者の方のご指導の下、他園の先生方等を交えたリモート公開保育の結果報告
【星の光幼稚園】令和3年度公開保育に当たっての準備と結果考察
アドバイザー:日本児童教育推進センター 喜多輝美
保育実施日12 月 6日
テーマ 「製作活動をアクティブラーニングの活動として実施し、子ども達の自己肯定感を高める
これまで星の光幼稚園では、「子どもの主体性」「就学までに身につけたい 10 の姿」「あそび(経験)から学ぶ」などを保育の活動でどのように実現するか検討してきた。
今回は、特にテーマとして、アクティブラーニングの一環としてどの領域においても、どの保育活動においても自己肯定感を高められるようにできないかということに重点をおいて研究してきた。
研修を進める中で、子どもの「素敵なこと」「試してみよう」「お友達の考えや思いを認める」「自分のやりたいという気持ちを大切にする」という点に重点をおいて「どのような言葉がけが子ども達の自己肯定感を高められるか」「どのような経験を重ねることで自尊感情が高まるか」「各年齢において今一番大切にしてあげるべき観点はどこか」等について、専門的なアクティブラーニングのアドバイスを喜多先生にいただきながら、検討した。
公開保育おいてはその中で、年少の子ども達にも取り組みやすく、また、保育者も積極的にいろいろな言葉がけができるということから、製作活動に取り組むこととし、子どもたちが主体的に製作活動という遊びに取り組み、展開する中で、自己肯定感を高められているかを研究した。
公開保育の内容と観点 指導代表 大土恵美香(きりん組)留意点は*に記載
令和3年度 12月 絵画製作 3才児 |
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◎ねらい・・・与えられた材料を用いて、自分なりの表現・装飾をすることで自分に自信を持つことにつなげる。 *クリスマスという行事について知る。自分なりの工夫をすることで表現力をつけ自己肯定感を高められるように指導する。 |
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◎活動詳細 クリスマスのブーツを製作する。 |
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・クリスマスへの夢を膨らませる。 ・ 季節の移り変わりを感じとらせる。 ・サンタクロースからプレゼントが届くことに期待を持たせ、ブーツを作らせる。 ・ クリスマスの意味を知り、プレゼントを楽しみにさせる。 |
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準備 切り画用紙(水色・とき色)のブーツの形に切った物と綿の形に切った白画用紙を用意しておく。 |
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○綿の形はブーツの上部にぴったり合うように貼る。 |
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○袋状にならないとプレゼントが入らないことに気付かせ、のりづけの位置に注意しながら取り組む |
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○ブーツにクリスマスツリーとゆきだるまを貼り自由にクレパスなどで書き加える。 *様々なことを想像させて楽しい気持ちを膨らませる言葉をかける*好きな色を選んだり、違う形になっても気にせず 積極的に自分の表現を完成できるよう声をかける*子ども達のつぶやきを認めてあげる*想像したことを発表しあう |
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○出来上がったらパンチで1つ穴をあけ、1.2cmの幅のリボン(40cm)を結んであげる。 |
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※ひらがな横印を押してあげる。・準備 画用紙・のり ・リボン ・中細黒マジック |
子どもへの対応についての今回の試み
➀子ども自身が自分の考えに自信を持てるように、どのようなアイデアも「すばらしい!!」と称賛する。
②子ども達が、お友達の考えに対して、認め合えるように指導する。
*具体的にどんなところがどのように素晴らしいかも考えることでより賞賛の度合いを高める。
③子ども達の表現の工夫について個別の名前を挙げて賞賛することは控え、誰の表現だからいいとか、誰のはつまらないというような区別がないように公平な心でお互いを認め合うことを重視する。
④美しさなど個々の感覚の違いを認め、それぞれの感性の違いを認め合えるようにする。
公開保育参加者の言葉
知能教育顧問 白濱先生
子どもたちはどのような時も、自己肯定を大前提にした行動がとれることが大切である。知能の発達も、自己肯定感に裏打ちされている。その観点からも、今回の取り組みは素晴らしいと考える。漫然と保育するのではなく大切にするべきポイントを考え、視点をかえながらよく研究に取り組んでいると評価する。
K保育園 北中先生
3歳児という年齢から、自尊感情が大切にされないと認められないという感情が育ち始める時期であるから、
そのことを踏まえた今回の保育は大変勉強になったし、子供たちの成長にとても大切だと実感した。
S幼稚園 水野園長
満3歳クラスが始まって3歳児が一番小さい学年でなくなったが、まだまだ成長の度合いに個人差があると言える。その中で、劣等感が芽生え始める時期がこれまでは4歳言われてきたが、もう少し早まっているような気がしている。その点からも、また、人間関係という領域のくくりでなく、絵画領域や他の課目でも実践しなくてはならないと強く感じた。
保護者代表 K様
入園当初は登園するのも大変で、いろいろついていけているのか不安でしたが、先生が優しく丁寧に教えてくださっているのがわかって、とても頼もしく思いました。
クラス全体が明るく、先生の説明や声かけに各々が考え、それを声に出して表現している様子が印象的でした。入園式で見た姿から、子どもたちが皆それぞれ成長しているのを感じました。
入園前は椅子に長時間座っていられずクレヨンなどを渡しても、すぐに飽きてしまっていたので、幼稚園で工作を自分から頑張ることができている姿が見られてとても嬉しかったです。
お友達や先生と楽しく製作に取り組むことで、自信ややる気を引き出していただいているのだなと毎日の幼稚園での活動を垣間見た気がいたします。今後ともよろしくお願い致します。
結語(アドバイザー・園の責任者・担当者の公開保育反省会のまとめ)
以上を踏まえて、保育者の細かな配慮や、よく考えた言葉がけがあったことで、子ども達はより自信を深め、また、お互いが賞賛するという形でほめあうこと、認め合うことで自己肯定感が育ったと考えている。
他の学年、他のクラスでも普段の何気ない会話の中でも、今回のような配慮が生かされることで、より個人の自己肯定感が高まると考えると共に、保護者のご指摘があったような意見を出しやすい、認められやすい環境を整えることでより一層明るいクラス全体の雰囲気で楽しい友達関係ができればと考える。
今後も、この研究を生かして、様々な領域や保育場面での自己肯定感を高める活動につなげていきたい。